口腔外科

親知らず

親知らずは、一番奥に生えてくる永久歯で、正式には「第三大臼歯」と呼びます。現代人は顎が小さく、親知らずがまっすぐに生えるスペースが不足している場合が少なくありません。そのため、斜めや横向きに生えたり、歯ぐきに埋まったまま(埋伏)になったりします。このような状態は、隣の歯を押して歯並びを乱したり、汚れが溜まってむし歯や歯ぐきの炎症(智歯周囲炎)を引き起こしたりする原因となります。

こんな症状・お悩みは
「親知らず」が原因かも
しれません

  • 奥の歯ぐきが
    ムズムズ・どんより痛む
  • 前歯の歯並びが
    ズレてきた
  • 奥歯に食べ物が
    よく詰まる
  • 奥歯周辺の
    歯ぐきが腫れる
  • 噛むと痛い
    食べ物が当たると痛む
  • 歯ブラシが届かず
    口臭が気になる

親知らずを
抜いたほうが良い場合

  • 横向き・斜めに
    生えている場合

    斜めに生えた歯は磨きにくく細菌がたまりやすく、放置すると手前の歯まで悪影響を及ぼすことがあります。

  • むし歯になっている場合

    親知らずのむし歯は、最奥に位置するため器具が届きにくく、精密な処置が難しいのが特徴です。磨きにくい環境が続く限り、再発リスクは残ります。

  • 歯並びなどに影響がある場合

    原因不明の肩こりや朝の頭の重さは、親知らずが影響していることがあります。歯列への圧力が噛み合わせを乱し、顎から首・肩に負担が広がるためです。

親知らずを抜く必要がない場合

  • まっすぐ生えている場合

    親知らずがまっすぐ生え、上下でしっかり噛み合い、清掃に問題がなければ、他の奥歯と同じように長く使うことができます。

  • 完全に埋まっている場合

    骨の中に埋まっていて周囲に問題がなければ、基本的にはそのまま経過観察します。

  • 移植歯として使用できる場合

    健康な親知らずを残しておくと、将来の歯の移植に活用できる可能性があります。

親知らずを抜くなら
どのタイミング?

親知らずの抜歯を検討されているなら、回復力が高い若いうちに行っておくことをおすすめします。加齢とともに周囲の骨や筋肉が硬くなるため、抜歯の手術自体が大変になり、術後の負担も増えてしまうからです。
また、女性の方はライフステージに合わせた計画も重要です。妊娠中に親知らずが痛み出すと、お腹の赤ちゃんへの影響を考慮して痛み止めや抗生剤の使用が制限され、治療が難しくなる場合があります。将来の急なトラブルで辛い思いをしないためにもお身体が健康で体力が十分にある時期に一度ご相談ください。

親知らずについて気になる
症状はなんでもご相談ください

「奥歯のあたりが時々うずく」「歯ぐきがむず痒い」といった、言葉にしにくい些細な違和感でも遠慮なくお聞きかせください。親知らずの生え方や根の形状は一人ひとり異なり、抜歯が必要かどうかの正確な判断には、歯科医師による専門的な診断が欠かせません。
不安を解消し、将来にわたってお口全体の健康を守るためにも、気になる症状があればまずは当院の口腔外科へお気軽にご相談ください。

歯ぎしり・食いしばり

睡眠中や日中の集中時など、無意識のうちに歯を強く擦り合わせたり(歯ぎしり)、噛みしめたり(食いしばり)する癖を「ブラキシズム」と呼びます。ご自身では気づきにくいものの、この時にかかる力は非常に強く、歯や顎の関節に大きな負担をかけ続けます。これが慢性化すると、歯のすり減りや破折、知覚過敏、さらには顎関節症や頭痛、肩こりなどを引き起こす原因にもなってしまうのです。

こんな症状・お悩みは
「歯ぎしり・食いしばり」が
原因かもしれません

  • 起床時顎が疲れている
  • 歯ぎしりの影響で
    歯が削れている
  • 就寝時に
    食いしばりすぎて
    起きてしまう
  • 口を開けると痛む、
    開けにくい
  • 就寝中に
    歯ぎしりがあると
    指摘された
  • 舌の外側が
    歯並びに沿って
    デコボコしている

歯ぎしり・食いしばりが
起こる原因

ストレス 歯ぎしりや食いしばりの原因の多くはストレスです。ストレスは身体へ大きな影響を与えるものであり、ストレスが増えると食いしばりや歯ぎしりをしてしまう回数も多くなる傾向にあります。
歯並び 歯並びが乱れていると上下の噛み合わせにズレが生じ、うまく噛めなくなることがあります。特に開咬(かいこう)や過蓋咬合(かがいこうごう)などの不正咬合では、無意識のうちに奥歯へ負担が集中し、食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなります。
また、噛み合わせが偏ると特定の場所ばかりで噛む癖がつき、口周りの筋肉や顎関節に負担がかかる場合もあります。こうした筋肉の緊張がストレスとなり、食いしばりや歯ぎしりを助長する可能性もあります。
枕が合わない 枕が身体に合わず高さがある枕であると、顎を引いた状態になってしまい気道が狭くなったり、肩や首に負担がかかってしまったりします。これらの状態はリラックスした睡眠状態とはいえずストレスを感じてしまうため、歯ぎしりや食いしばりが誘発されると考えられています。
集中している時間が長い 人は物事に集中していると、無意識のうちに能力を最大限に引き出そうとする力が働き、上下の歯を噛み込む傾向にあります。集中時に食いしばらないように、意識することも大切です。

歯ぎしり・食いしばりが
歯に与える悪影響

肩こりや頭痛、めまいの原因が、実は歯ぎしり・食いしばりにあるケースがあります。
歯周病の悪化にもつながるため、放置は禁物です。下記の症状に心当たりのある方は、専門の医療機関を受診してください。

  • 口周りの不調

    詰め物がすぐに壊れる、矯正したはずの歯並びが再び乱れる。
    こうしたトラブルの背景に、歯ぎしり・食いしばりが潜んでいる場合があります。毎日の強い噛みしめは歯だけでなく顎の筋肉・関節・骨にまで負荷を与え、長期化すると顎や顔の形にも変化が現れます。

  • 顎関節症

    口を開けるたびに痛みが走る、顎がカクカク鳴る、外れそうな感覚がある。
    こうした症状に覚えがあれば、顎関節症の可能性があります。歯ぎしりが主な誘因となっている場合も少なくありません。

  • 顔の変形

    片側だけの「食いしばり」をしている人が一番危険です。
    力を加える方にだけ顎の筋肉が発達して、顔の歪みを引き起こす原因になります。ひどくなると、目の大きさや頬の張り方が左右で違ってくることもあります。

ナイトガードによる治療

上下の歯が直接触れない状態をつくり、就寝中の歯の削れを防ぐ装置です。ゴム製のソフトタイプと強化プラスチック製のハードタイプがあり、症状に応じて選択します。装着直後は違和感がありますが、微調整を重ねるうちにフィット感は改善します。

ナイトガードの効果

  • 歯にかかる負荷を
    軽減できる

    歯ぎしりや食いしばりで歯にかかる力は、体重の数倍に達するといわれています。毎晩これだけの負荷が繰り返されれば、エナメル質のすり減りは避けられません。
    ナイトガードは歯よりやわらかい素材でできた装置です。上下の歯のあいだに挟んで使うと、歯ぎしりや食いしばりの力を吸収・分散するため、歯の摩耗を防げます。

  • 噛み合わせのずれを
    調整できる

    当院のナイトガードの特徴は、患者さまの歯型と噛み合わせに合わせて作製することです。睡眠中に装着すれば、噛み合わせは一時的に整った状態になります。
    すると、歯ぎしり・食いしばりの力が一点に集中せず歯全体に分散されるため、偏った負荷による歯のすり減りは起こりません。

  • 摩耗で歯ぎしりの
    傾向が分かる

    ナイトガードは歯より柔らかい素材なので、使ううちに歯の代わりに少しずつ摩耗していきます。
    歯ぎしりが強い方の場合、特定の箇所だけが極端にすり減るため、削れ方から力の方向や強さを読み取ることが可能です。どの歯にどれだけの負荷がかかっているか、装置の表面が教えてくれます。

顎関節症

「口を開けるとカクカク音が鳴る」「顎が痛む」「口が大きく開けられない」といった症状は、顎関節症の兆候かもしれません。これは、顎の関節やその周囲の筋肉(咀嚼筋)に何らかの不調が生じている状態です。原因は一つではなく、歯ぎしりや食いしばり、ストレス、嚙み合わせの不調和、生活習慣(頬杖や姿勢)などが複合的に関与していると考えられます。

こんな症状・お悩みは
「顎関節症」が
原因かもしれません

  • 顎周りに原因のわからない
    違和感を覚える
  • 少し噛み続けただけで
    顎がどんより疲れる
  • 動かすたびに耳の手前で
    変な音が鳴る
  • 食事や会話の際に
    ズキッとした痛みが走る
  • 指を縦にして
    入れられないほど大きく開かない
  • 鏡を見たとき
    左右の輪郭にズレを感じる

顎関節症になる主な原因

ブラキシズム
(歯ぎしり・食いしばり)
歯周組織の破壊や顎関節の損傷は、歯ぎしり・食いしばりによる過剰な力が原因で起こります。睡眠中や運動中、ストレスを感じている場面など、無意識に発生するため自分では止められません。
不正咬合 噛み合わせには、遺伝だけでなく舌癖や口呼吸といった後天的な要因も影響しています。ずれた噛み合わせは片側の顎関節に負荷を偏らせ、顎関節症の発症リスクを高めます。
日常的な習慣 自分では気づきにくい日常の癖が、顎関節への負担を積み上げていることは少なくありません。頬杖やうつ伏せ寝、下顎を突き出す姿勢、長時間のスマートフォン操作は、いずれも意識的に改善へ取り組む必要があります。

日常的に気を付けてほしいこと

顎関節症の治療は、歯科医院での処置だけでは完結しません。生活習慣に根差した部分が大きいため、原因となる癖を患者さまご自身が日常の中で取り除いていく必要があります。当院では症状やお口の状態を診査・診断したうえで、患者さまに合った治療とセルフケアの内容をお伝えします。

無意識の歯の接触に注意

本来、上下の歯が触れ合っている時間は1日で合計20分程度が理想ですが、実際には無意識に触れ合っている時間が長ければ長いほど、嚙み合わせのズレや歯への大きな負担を招きます。
些細な負荷の積み重ねが顎関節症のリスクを高めるため、日頃から意識的に『歯を離してリラックスする』ことが大切です。

デジタルデバイスの長時間の使用

スマホやPCの操作に没頭してうつむき姿勢が続くと、上下の歯が接触しやすくなります。長時間の使用による噛み合わせのズレも顎関節症の原因となるため、使用時間を控えるなどの意識が大切です。

その他の避けるべき行動

  • 頬杖など、顎に直接圧力がかかる姿勢を控える
  • うつ伏せ寝を極力避ける
  • トイレ時など、無意識に歯を食いしばらないよう注意する
  • 左右の歯をバランスよく使い、片側だけで噛む癖を直す
  • 急激に大きく口を開けすぎないようにする

当院の顎関節症の治療

スプリント療法

当院では顎関節症の症状緩和にスプリント(マウスピース)を用いています。
患者さまの口腔内に合わせて製作し、顎関節の安定と噛み合わせの調整を図る装置です。
噛み合わせの不具合が原因の場合、スプリントが顎を正しい位置へ誘導し、偏った負荷を減らします。顎まわりの筋肉の緊張が痛みを引き起こしているケースでは、装着が筋肉の弛緩を促し、症状の軽減につながります。

スポーツマウスガードの製作

型取りをして口腔内にぴったり合わせたマウスガードは、衝撃の吸収・分散性能が市販品とは格段に異なります。
歯や顎関節を守る、脳震盪を軽減するといったスポーツマウスガードの市販品では歯や顎関節を守るという本来の目的を十分に果たせないケースも少なくありません。自費診療のため費用はかかりますが、歯科医院での製作をお勧めします。

こんな方におすすめです!

  • スポーツ中に奥歯を
    噛みしめる癖がある方
  • 転倒や接触の多い競技をしている方
  • 市販品では
    フィットせず
    違和感のある方
  • 過去に歯をぶつけて
    欠けた経験がある方
  • 矯正治療中で
    装置や歯を守りたい方
  • 集中力や
    パフォーマンスの
    安定を高めたい方

歯科医院と市販品の
スポーツマウスガードの違い

スクロールできます

当院で製作するマウスガード 市販品のマウスガード
使用感
  • 患者さまの歯列・競技特性に合わせたオーダーメイド
  • フィット感が高く、激しい接触でもずれにくい
  • 衝撃エネルギーを広い面で受け止め分散させる
  • 装着したまま会話や呼吸がしやすい
  • 既製サイズで歯列との適合に限界がある
  • 噛み合わせへの配慮がなく装着感に難が出やすい
  • 使用中にずれや脱落が起きやすい
  • 素材の耐久性が低く、早期に穴が空くケースがある
費用 約5,000円(税込)~
10,000円(税込)
相場として1,000円(税込)~
約5,000円(税込)
リスク
  • 自費治療のため保険診療より費用がかかる
  • 型取りのぶん製作に日数が必要
  • フィット感に個人差が大きい
  • 個々の歯並びへの完全対応は難しい

当院のスポーツマウスガード

素材の種類 ソフト、ハードの2種
厚み 2mm、3mmから選択可能
製作期間・回数 約1.5~2週間 / 2~3回
費用 ソフト:約5,000円~8,000円(税込)
ハード:約5,000円~8,000円(税込)

スポーツマウスガードの
注意点

  • スポーツマウスガードの作製は保健適用外のため、自費診療扱いとなります。
  • 初診で型取りまでを済ませ、その1週間後の再診の際には完成したスポーツマウスガードをお渡しできます。ただ、初診で重度のむし歯や歯周病が見つかり治療が必要になった場合などは、それ以上の期間・通院回数を要します。
  • お子様の場合、顎の成長、生え替わり、歯並びの変化などがございますので、平均して数カ月ごとに1回程度の頻度で作り替えが必要になります。
  • 口腔内の状態が著しく変化する期間には、スポーツマウスガードの作製ができない(作ってもすぐに合わなくなってしまう)ことがあります。

長く使い続けるための
メインテナンス

スポーツマウスガードは消耗品であり、使用頻度に応じて保護性能は低下していきます。
破損や変形を放置すれば、歯や顎関節を守る機能は失われます。定期的な状態確認と、不具合が出た際の早めの来院をお願いしています。
口腔内にむし歯や歯周病を抱えたまま装着を続ければ、症状は悪化しかねません。
プロケアとご自宅でのケアの両方を欠かさず続けてください。